Q&A
耳についての質問
Q.数年前より時々耳がかゆくなり、ひどいときには痛くなって耳だれが出てきます。耳鼻科に通って少しは良くなりそのままほっとくのですが、しばらくするとまたおかしくなる。治らないのでしょうか。
A.外耳道湿疹から外耳炎になっており、鼓膜や中耳の炎症を伴うこともあります。経過が長いときは、糖尿病などの病気がかくれていたり、薬の効きにくい細菌がすみついていることがあります。さわりすぎが炎症をひきおこす原因になりますので、自分ではさわらないように。治療には時間がかかることもありますが、完治するまで根気よく通院することが重要です。
Q.耳が少し聞こえにくくなってきました。家族のものから補聴器をといわれますが、気がすすみません。必要なのでしょうか。
A.補聴器を買って持っているが使ってはいないという方がよくおられます。勧められて購入したものの雑音がうるさくて役に立たないといわれます。老人性の難聴の場合神経が弱って音を解析する能力が落ちてくるので、単に音を大きくしてもよく聞こえるようになるわけではないのです。しかし、自分の最も聞き取りやすい音の大きさはありますから、うまく調節して音を増幅すると聞こえはよくなります。そのためには耳鼻科で検査の上、補聴器について相談してください。医師の勧める専門店では必ず購入の前に貸し出しをしてくれます。自分で使ってみて納得の上購入してください。
Q.6才の男の子です。数日前から風邪気味でしたが、夜中に急に耳が痛いというので、翌日耳鼻科に連れて行くと、急性中耳炎と診断されました。急性中耳炎はどんな病気ですか。
A.中耳炎は、耳のなかの中耳という場所に細菌が入り込んで、炎症をおこす病気です。中耳というのは、鼓膜の奥にある空気の部屋で、耳管というくだで鼻の奥とつながっています。風邪や鼻炎で鼻やのどに炎症がある時、耳管を通じて細菌が入り込むと中耳炎がおこります。治療は、抗生物質などの薬物治療の他、痛みが強いときや発熱が高い場合は鼓膜切開が必要になります。
Q.5才の女の子です。2ヶ月ほど前から鼻をぐずぐずしていましたが、最近呼んでも返事をしなかったりテレビの音が大きいように思います。調べてもらったほうがよいのでしょうか。
A.滲出性中耳炎という中耳に水がたまる病気が考えられます。急性中耳炎の後治療を中途でやめてしまったり、鼻炎・蓄膿症などで鼻の奥の炎症が長引いたりするとおこります。急性中耳炎のように痛みや発熱を伴うことがないので、気づくのが遅れがちですから注意が必要です。診察の上、聴力検査や鼓膜の動きの検査を行い判断します。治療は、鼻から中耳に空気を送る通気療法や薬物治療を行います。通気は大人であれば細い金属の管を鼻から入れて行いますが、幼小児の場合はゴム球で行います。ゴム球で空気を送るときには鼻からのどへ空気が漏れないようにするため『ガッコウ』とか『ラッコ』とか声を出すことが必要になります。治りにくいときには、鼓膜を切開したり、鼓膜にチューブを留置する手術を行うことがあります。鼻の奥のアデノイドという組織を併せて切除することもあります。
Q.それでは、中耳炎にならないようにするためには、普段からどのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。
A.①みず鼻、黄色い鼻が続くときにはしっかり治療を受ける。②強く鼻をかまない。できれば鼻をかむときには片方ずつ静かにかむ。③鼻をすすらない。鼻すすりは滲出性中耳炎の大きな原因のひとつです。④むつかしいことかもしれませんが、風邪を長引かせないようにする。
特に滲出性中耳炎は、治りにくいことがありいろいろな治療をしなければならない病気ですから、急性中耳炎はきちんと治さないといけません。小児で鼻・のどの炎症が続いたり、いびきが大きいときには耳の診察を受けるようにしましょう。
Q.中耳炎で鼓膜切開を繰り返していますが、将来聞こえが悪くなりませんか。
A.薬だけで中耳炎が治らない時、鼓膜切開を繰り返ししなければならなくなりますが、膿を出して細菌の量を減らすことが大切です。たいていの場合、鼓膜は自然に閉鎖します。むしろ、炎症が長引く、重症化する方がのちの聴力悪化の原因になります。
鼻についての質問
Q.毎年2月になると鼻がむずむずして目がかゆくなります。今年はスギ花粉がたくさん飛ぶそうですが、どのようにすればよいでしょうか。
A.スギ花粉の飛散予測は前年の夏の気象条件によって行われます。高温で湿度が低かった場合の花粉数はかなり増加します。できれば飛散開始前の2月はじめより治療を始めるのが最もよいのですが、今からでも受診のうえ自分にあった治療につき相談してください。また、花粉症で鼻や眼の症状のほかに、皮膚のかゆみ、のどのイガイガ、ゼイゼイ、頭重感、倦怠感、精神集中不能といった症状があらわれることもあるので注意が必要です。
自分でできる対策としては、次のようなものがあります。
- スギ花粉情報を参考にして、なるべく外出を避ける。
- 外出のとき、すべすべした素材の服を着るようにし、めがね、マスクをする。
- 帰宅したら玄関の外でコートをぬぐ、鼻をかむ、うがいをする。
- 洗濯物は室内に干す。なるべく窓を閉めておく。毎日掃除する。
Q.6才の女の子です。小学校の健診で副鼻腔炎という紙をもらってきました。副鼻腔炎はどんな病気ですか。鼻炎と違うのですか。
A.鼻炎は、鼻の穴から少し入った鼻腔の粘膜の炎症ですが、副鼻腔炎は鼻腔のまわりにあるほらあな(副鼻腔)の粘膜に炎症を起す病気で、鼻炎がさらに進んだ状態です。風邪などで急に黄色いはなが出だしたときは急性副鼻腔炎、にごった色の鼻汁や鼻づまりが続くときは慢性副鼻腔炎が考えられます。アレルギーや歯からの感染、水泳や潜水などでおこることもあります。鼻の粘膜の処置やネブライザーによる薬液注入、抗生物質などの薬物で治療を行います。大人で以上のような治療でも改善しないときは、手術治療を行うこともあります。
Q.生後7ヶ月の男の子です。1ヶ月ほど前から夜間鼻が詰まって息苦しそうなのですが蓄膿症なのでしょうか。
A.蓄膿症とは慢性副鼻腔炎のことです。副鼻腔にはほっぺの裏側にある上顎洞などがありますが、2才頃まではあまり発育しておらず副鼻腔炎とはいえません。ただ鼻づまりが続くと気管支炎や中耳炎を起こしやすいので治療が必要です。
Q.副鼻腔炎にならないためには、普段からどのようなことにきをつけたらよいでしょうか。
A.鼻汁や鼻づまりが続くときには、しっかり治療をうけてください。「はなみずぐらい」と放っておかないこと。鼻づまりはつらいだけでなく、いつまでも汚いものを身体にとどめておくことになります。鼻をかんでもでてこないときは、無理やりかまないで、片方ずつ出るぶんだけこまめにかんでください。
鼻の病気の治療は、長く時間がかかるものです。特に粘っこい鼻や強くつまっている場合は、奥まで徹底的に掃除します。子どもは初めのうち鼻の治療を嫌がりますが、楽になることがわかると、自分から病院に行こうとするようになります。続けて治療をするというのは大人でもつらいものですが、慢性の病気でも手術をしなくてよくなる場合もありますから、がんばって治療を受けましょう。
Q.しょっちゅう鼻血が出ます。
A.子どもの場合、背景に、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの鼻の病気があることがよくあります。鼻が気持ち悪いのでよく鼻をさわり、鼻血が出る原因になっています。鼻炎の治療をすれば鼻血も出なくなることがほとんどです。
喉についての質問
Q.55才の女性です。2年ほど前から鼻汁がのどの奥へ流れへばりついたようになってつらいのです。どうしたらいいですか。
A.慢性副鼻腔炎、鼻アレルギーなどが原因となって、鼻の奥の上咽頭というところで炎症を起こしていると考えられます。内視鏡などの検査を行い腫瘍などができていないか調べたうえで、鼻汁を吸引したり原因に応じた薬を飲んでいただきます。経過が長いことから気長に治療することが必要と思われます。
Q.扁桃腺は取ったほうがよいのでしょうか。
A.扁桃腺は、それ自体がなんらかの症状の原因となっていなければ、取る必要はありません。ただ、①のどが痛み、高い熱が出て、よく学校や仕事を休む、②扁桃腺が大きいために、いびきがあって睡眠中に息が止まることがある、といった場合には、手術で取ることをお勧めします。
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